TKYTEL COMMENT 7 東京広域電話網 2025-06-22 通話の録音を無効化することについて(依頼) 1. 概要 東京広域電話網(以下、網とする)における電話交換局(以下、局とす る)の運用に際して、通話の録音(以下、通話録音とする)を無効化してい ただくようお願いする。 2. 経緯 網の各局においては、IP-PBX システムとして MikoPBX が広く用いられて いるところである。MikoPBX では、インストール時のデフォルトの設定とし て、通話録音は有効化されている。通話録音を有効にすることで、局内外の 通話を記録できる。また、局ホップ(以下、ホップとする)を有効 にしている場合、ホップされた局はその通話をも記録できる。 3. 想定されるリスク 通信を意図せず傍受されるおそれがある。また、ディスク容量を圧迫する ことによる DoS 攻撃を受けるおそれがある。 発信側はホップを行うする局を任意に指定できる。そのため、直接通信を 行える局間であれば、通信の傍受を回避できる。しかし、着信側はホップさ れたか否かを判断する方法がない。着信側は常にリスクを負うことになる。 通話録音は、原則としてあらゆる通話を対象に記録される。そのため、特 にダイヤルアップ通信やファクシミリ等の電話サービスやホップを提供して いる局においては、長時間の通話を大量に受けることによって録音音声のデ ータ容量が増加し、ディスク容量を圧迫した結果、局の正常な動作に支障を きたすおそれがある。 4. 処置 通話録音の無効化をお願いする。MikoPBX を利用している場合、以下の手 順によって無効化できる。ただし、項目名は英語(English)で表示してい る。 1. MikoPBX の WEB UI を開く。 2. 左側のペインあるいはメニューにある「System」→「General settings」 を選択する。 3. 表示される設定画面から「Call recording」を選択する。 4. 表示される設定画面において「Call recording」及び「Recording internal conversations」を無効にする。 5. 「Save settings」を選択して設定を保存する。 5. 備考 日本国憲法の第二十一条二項では、通信の秘密について定められている。 6. 対策 後に実現される技術は、運用当初の想定を上回る革新であることがある。 このような技術にも対応できるよう、しっかりする。 以上